C#ATIA

↑タイトル詐欺 主にFusion360API 偶にCATIA V5 VBA(絶賛ネタ切れ中)

ライセンスの無いコマンドを使用する

"Unofficial CATIA User Forum" の常連さんの所で記載した際、
既にご存知の方も居たのですが、ちょっぴりグレーなネタです。
将来的には、ひょっとしたら今回の分は削除するかもしれません。

ライセンスが無くワークベンチ自体が利用できないものについては、ムリだと
思うのですが、ワークベンチの機能を拡張するようなライセンスのコマンドで
あれば、パワーコピーを利用しライセンス無しでコマンドを利用できる可能性が
あります。

言葉だけではわかりにくいため、具体的な例をご紹介します。


パワーコピーを利用する為には、当然定義ファイルが必要となり、利用したい
コマンドを使用していなければなりません。
この "コマンドを利用しているPartファイル" の入手が難しいのが本音です。


CATIAのHelpファイルがインストールされている場合、多数のサンプルデータも入って
います。 実はごく僅かですが "コマンドを利用しているPartファイル"
も入っています。

「Generative Shape Design, Optimizer, Developed Shapes & BiW Templates」
の「エレメントの転写」のHelp画面がこちらです。
f:id:kandennti:20160512115829p:plain
当方には、「デベロップ・シェイプ 1」のライセンスなんてありません。
HelpをIEで開いていれば(ChromeでCATIAのHelp見るのは諦めました・・・)
CATIAを起動した状態で「Transfer1.CATPart」をクリックするとサンプルデータが
開けるので楽ですよね。

実際にファイルを開いた状態がこちらです。
f:id:kandennti:20160512115835p:plain
Treeを確認すると「展開.2」が入っています。 このまま上書きする
のは、個人的に気に入らない為別名で一度保存します。


続いて「展開.2」を指定してパワーコピー作成します。 実際にインスタンスを
作成する際、入力部分の名称がそのままではわかりにくくなるため、
パワーコピー名と入力の名称をHelpを参考に修正してみました。
f:id:kandennti:20160512115842p:plain

定義ファイルとしたいので、不要なものは削除しCATDUAを行った上で
上書き保存しました。(この辺はお好みで)
f:id:kandennti:20160512115851p:plain



出来上がったものを実際に利用してみます。
中途半端な球体を作成します。
f:id:kandennti:20160512115859p:plain

先程のパワーコピーを呼び出し、各項目を指定します。
f:id:kandennti:20160512115905p:plain

無事利用できています。
プレス屋さん辺りで利用できるコマンド何でしょうかね?
f:id:kandennti:20160512115911p:plain



もう一個試します。
先程のHelpの近くに「サーフェスの展開」の項目があり、こちらの
サンプルデータ「Unfold1.CATPart」を開きます。
f:id:kandennti:20160512115919p:plain

Helpのゴチャゴチャした説明を見ながら項目を指定しますが、
「切り離す曲線」を定義ファイルで指定していないため、指定できません。
f:id:kandennti:20160512115925p:plain

この状態でプレビューすると
f:id:kandennti:20160512115932p:plain
まぁ当然エラーです、展開方向には閉じたサーフェスなので。
でも、エラー状態のまま OK を押してパワーコピー自体を終了させます。

エラーは出ているものの、Treeに入ってくれています。
f:id:kandennti:20160512115937p:plain

再度コマンドに入り、正しく項目を設定すれば無事展開できます。
f:id:kandennti:20160512115942p:plain


要点をまとめると

  • パワーコピーを利用すると、ライセンスなしでも利用できるコマンドがある。
  • Help内に "コマンドを利用しているPartファイル" が入っている。
  • 定義ファイルはシンプルに。
  • エラーが出ても、OKでパワーコピーを終了させる。

他にも何個かのコマンドがHelp内のサンプルデータに入っています。
ひょっとしたら、客先支給のデータ内にもあるかも知れませんね。