先日、思うところがあったため折角の機会だと思い・・・。
"スパイン" について説明がされているサイトを見かけないので、
僕なりの理解を記載しておきます。
(違うよ ってご意見等有りましたらよろしくお願いします)
実際に検索してみると
CATIA やUGNX などの三次元CADに関する質問です。ボディにフィ... - Yahoo!知恵袋
あまりに抽象的過ぎて質問者に伝わっていない気がしてます。
"Unofficial CATIA User Forum" では、ここなさんが
「スパインは画面上では線として表現されているけど、実際は平面の羅列です」
と言った表現をされていました。
個人的にはこの表現で、おぼろげだった理解がすっきりとしました。
簡単な例を。
XY平面・ZX平面にそれぞれスケッチを作成しスプラインを描きます。
この2本の線を合成コマンドで3D的な自由曲線を作成します。
この曲線上に点を作成します。
曲線と点を元にすると、接線を作成する事が出来ます。
どんな曲線であっても、線上の点を指定すれば接戦を描くことは
可能です。(数学的には微分です)
この接線を方向ベクトルと捉え点を指定することで平面が
作成出来ます。
・・・別に接線を作成しなくても、同一の平面は作成可能なのですが
接線が平面の向きになることをお伝えしたかった為です。
つまり、どんな曲線であっても曲線上の点は接線ベクトルを持ち
平面が作成可能だということになります。
GSDにはこんなコマンドがあるので、イメージとしてはこんな感じです。
「線に見えるけど、平面の羅列」とはこんな事を意味していると
解釈しました。
では、実際のモデリングでは何を意味するのでしょうか?
XY平面に四角を描いた上、2つの面に45度の勾配を付けます。
この2つの45度面が交差するエッジ部分にエッジフィレットを付けてみます。
(仮にサイズ10mmです)
まぁフィレット面が出来るだけなのですが、ここでフィレットを作成した際に
指定したRのサイズが何処に存在するのでしょうか?
一見、端部の形状が指定したRサイズになっているようにも感じますが、
実際に測定すると違う事がわかります。
では何処に? ここでスパインが登場します。
履歴を戻り、フィレット作成した時に指定したエッジを使用しエッジに直交する
平面を作成します。
最初に説明したように、どんな曲線(今回は直線)であっても、
平面の作成が可能ですね。
履歴を進み、先程の平面で分割。 切り口となったフィレット面の
端部を測定すると、指定したRサイズが見つかりました。
つまりエッジフィレットは
”指定したエッジをスパインとするR曲面を作成する”
コマンドだったわけです。全ての3DCADを調べることは現実的では
無いのですが、恐らく全ての3DCADでは同じ事だと思っています。
実際はスパインを指定するわけでは無いのですが、自動的に
設定されているのだろうと思います。
逆にフィレットの端部を指定したRサイズとしたい場合は、
除変フィレットとし円形フィレットのスパインをZ軸とすれば
(エッジフィレットではスパインの指定が出来ません)
意図していた形状になると思います。
このようなフィレットが欲しい時は、あまり無いとは思いますが・・・。
GSDの場合、スイープ・ロフト・ブレンド辺りのコマンドでスパイン指定可能な
ものが多いのですが、細かな違いは有れど
指定した断面が、どの平面上に存在しているか?
を示すのがスパインなんだろうと思っています。
少し前にこちらを投稿したのですが
解決済み: R形状のサーフェイスの作り方について - Autodesk Community
本当はスパインについても書こうと思っていたのですが
Fusion360にはスパインのコマンドが無く、無い機能について
グダグダ書いても仕方ないと思い、こちらに記載してみました。